
露天風呂で空を見ていたら、息子が海で溺れたときのことを思い出しました。



息子は小学校2年生でした。
弟は4歳。まだ娘は生まれていませんでした。
友人のお誘いで、私と、息子たち二人は近くの海へお弁当を持って出かけたのです。
夏休みということもあり、海水浴場はとても賑わっていました。
日頃から睡眠不足だった私は、レジャーシートに座ってボーッとしていました。
意識が朦朧としていたその時、
「人が溺れてるぞ~」
とザワザワし始めました。
私は直感で、「息子だ」と思いました。
4歳の息子には、ここにいてね。とお願いして、
私は、
【ゆうき!ゆうき!】と息子の名前を大声で叫びながら、洋服のまま海へ入りました。
大人たちが集まって来るので息子の姿がなかなか見えません。
私の心臓はドキドキしました。
その中の一人の男の人が、私のことを母親だとわかった様子で、
「お母さんは来ない方がいい!砂浜へ戻って。」
と言ったのです。
「えっ?なんで?もしかして。。。。うそ」
余計に心配になった私は、更に大きな声で【【【ゆうき!ゆうき!ゆうき!】】】と叫びながら、どんどん進んで(犬かきみたいに泳いで?)いきました。
その時です。ゆうき が手を上げた
よかった!生きてる。
そこから、記憶が中断して、気が付くと、
息子は、誰かに、砂浜まで連れて行ってもらったようでした。
救急車もきました。
砂浜に寝せられた息子のまわりには、たくさんの大人たちが集まっていて、
『かわいそうに。この子の親はいったいどこにおるんやろか?ほったらかしにして。』
と、あきれたように話していました。
そんな中、私は着いた。
その人たちをかきわけて。
1秒でも早く息子のそばに行きたくて、髪の毛振り乱して、洋服はビショビショになって、ハアハア言いながら、
私は息子のそばにやっとたどり着いたのです。
だって、服が濡れて重くて、歩くのに一苦労したのですよ~
そのまま、三人で救急車に乗って病院へ行きましたが、特にどこにも異常はありませんでした。
友人はですね、この騒ぎにビビって、貧血を起こして動けなくなり、浜辺で寝ておりました
家に帰って、三人でお風呂に入っているときに
息子に聞いてみたら、
夢中で泳いでいて、立ってみると、深くなっていたので、びっくりして、「わぁ、危ない!助けて!」とつい言ってしまったらしい。
それで、皆さんが助けてくださったのです。
スイミングスクールに通っていた息子は、
『お母さん、ぼくね、最近 背泳ぎができるようになったからよかったよ。役にたったおじさんから背泳ぎするように言われたんだ。おじさんとお話しながらずっと背泳ぎができたよ。でも、お母さんが心配しているみたいだったから手を上げたよ。大丈夫の合図をしたんだ。』
と話してくれました。
私は息子に
お父さんから預かった大切なあなたに、もし何かあったら。。。謝っても謝りきれないよ。本当によかった。よくがんばったね。
と言いました。
へぇ、これが私の本心なんだ!
離婚して、いろんな問題が勃発している最中でしたが、
親権を私が持つことに同意してくれた元夫に、私は感謝しているんだなぁ。
と気付いた瞬間でした。
そして、助けてくださった方々は、なんと、私のお店のお客様。西○○銀行の方々。
この出来事が社内報に載ったのだそうです。
「普通なら怖くてしがみついてくるのに、あなたの息子さんは冷静で、背泳ぎがとても上手でした」と褒められました。
一瞬、それって、溺れたのかなぁ?
と言う気持ちが頭をよぎりましたが、私の心の中にそっとおさめております
ありがとうございました。