2011年3月11日。
『東日本大震災』
その3年後、私は福岡から関東に拠点を移すことになりました。
その時、「大丈夫?」
と、たくさんの人から心配されました。
その心配すら、私にはピンと来なかったのです。
引っ越した後、私は普通に生活していたけど、ある時、傾いた塀や、割れて積まれた瓦をみつけて急に怖くなりました。
そして、その話をすると、行きつけのカフェの店員さんが当時の凄まじい状況を話してくれました。
それ以来、私は慣れない地震に、更に敏感になり、時々、苦しくなるようになりました。
同時に、福島にも怖くて近付けなくなっていきました。
それから6年間、時には地震に怯え、また放射能と言う言葉を気にしながらモヤモヤとした気持ちを抱えて過ごして来たように思います。
ところが、先日、久しぶりに尋ねたヴィーガンのお店で知り合った方のInstagramを見ていたら、福島の『銀河のほとり』というヴィーガンカフェの写真を載せているのをみつけました。
その方は、アレルギーを持ったお子さんの食事を、丁寧に楽しく作っていらっしゃいます。
興味を持った私は、“福島ヴィーガンカフェ”で検索してみました。
すると、驚くほど多くのヴィーガンカフェが地図の上に表示されました。
私はその中のいくつかのカフェに行ってみようと思いたち、お友達を誘いました。
その時尋ねたカフェはとても素敵な雰囲気で、料理も、とても美味しく、心が休まりました。
使っている材料や、調理法を分かりやすく説明してくれることも驚きました。
とても優しく温かい雰囲気。
でも、それ以上に、私の心に響いたのは、
関わる方たちの一生懸命さ、丁寧さ、でした。
家に帰って、これまでにない安らかな気持ちで過ごすことができました。
ビクビクと怯える気持ちは消え去り、
いつもよりも軽やかな気持ちで眠りにつきました。
この心境の変化は、私にとっても衝撃的でした。
今思えば、何も知らず、そこに暮らす人達のことを想像できず、テレビや新聞に書かれた実感の伴わない報道のみを耳に入れて気持ちを閉ざし、怖がる気持ちに心を支配させていました。
その殻を壊したのは、【人の心】
そこで真剣に、丁寧に生きる人々の存在を実感したこと。今起きているリアルを受け入れたことでした。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200311/k10012325801000.html
2020年、3月11日。
東北各地で虹が見えたそうです。
息子さんのお話をされているお母さんの笑顔。
ここまでくるのに、どれだけ悲しい思いをした事でしょう。
先日まで私の世界には見えていなかったたくさんの人の心。
大切にしていきたいと思います。
まだまだ復興の途中ですが、これからたくさん関わって行けたらと思います。